モカブラウンの鍵【完結】
「なあ」

「うん?」

お皿に向けていた視線を俺の方へ向ける。


「あのテディベアのキーホルダー、俺にくれない?」

「うん。あの、鍵も一緒にいかがですか?」


合鍵をくれるってことだよな。


「いいのか?」

「うん。涼太に合鍵持ってて欲しい。お互い、忙しいし、こうやって2人で過ごす時間がほしいし」

「そうだな。今度、俺の部屋の合鍵も渡すな」

「それはダメだよ」


喜んでくれると思ったのに、予想外の答えが返ってきた。

Tシャツの裾をいじりながら、困った顔で言い出した。


「涼太の家は、お父さんや宏実さんの帰ってくる場所じゃない」


そういうことか。

確かに1人暮らし状態とは言え、実家であることには間違いない。

それで遠慮してるんだ。

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