モカブラウンの鍵【完結】
「杉山」と松下さんが背後から声を掛けてきた。

こういうとき必ず俺にとって、いいことはない。


「何ですか?」

「今日、シルバー・ラボに行くから、準備しろ」

「はい、わかりましした」

荷物をまとめて、松下さんの後をついていく。

今日は仕事の方か。


「わかってると思うが、賀川社長は一筋縄で行かない。社長のデータは入ってるか?」

「はい。松下さんのマル秘情報とホームページでわかる情報は入ってます」

「そうか。まあ、それが役に立つかどうかは杉山次第だ」

「は、はい」

シルバー・ラボに向かいながら、松下さんと賀川社長のことを話していると、社長に会うのが恐ろしくなる。


ホームページに載っている賀川社長の写真を見ると、松下さんが言うような曲者のには見えない。

おかげで、全く賀川社長という人物の想像ができなかった。

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