モカブラウンの鍵【完結】
「明日、ノブと一緒にさ、現地視察するんだけど、奈央美も一緒に行かないか?」


お互いの仕事が忙しくて、2人でゆっくり話すのは久しぶりだった。

土日、一緒に居ても、どちらかが資料を作ったたりしていることが多かった。


「行きたいんだけど、夕方に予定が入ってるんだよね。現地って、軽井沢でしょ。時間的にきついかな」

「そっか、それなら仕方ないよ。ノブがさ奈央美に会いたいって言ってから。そのうちさ、みんなでご飯でも食べよう」

「うん」


残念そうな顔をしている奈央美の髪をゆっくり梳く。

指と指の間を髪が流れ落ちる。


「そんなに落ち込まなくてもいいよ」

「だって、ノブさんに会ってみたかったから」

「ノブのペンションできたら、土日使っかて行こうか。初旅行は俺が設計したペンション」

「本当?」

「うん。じゃあ、約束な」


奈央美が小指を立てて、俺の前に近付ける。

その細くて小さい小指に自分の小指を絡めた。

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