モカブラウンの鍵【完結】
「涼太……」

体を少し起こしベッドの方を見ると、奈央美が困った顔でベッドに座っていた。


「こっちおいで」

布団をめくり、体を少しずらし、1人分のスペースを空ける。

枕を抱きかかえた奈央美が横に来た。

一人用の布団に枕を隙間なく並べる。

お互い向かい合うように横になり、当たり前のように俺の腕に頭を乗せる。

なるべく奈央美の頭を包むように、もう片方の腕を回した。


「少しはマシ?」と聞くと、奈央美が「うん」と小さく答える。

「寝な。おやすみ」

「おやすみ」

奈央美が寝付くのを見届けてから、俺も目を瞑った。

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