クールな彼と恋愛中
そう思いながら、携帯を制服のポケットの中に入れた。
「その顔は、海に決まった?」
宏がニヤニヤしながら、俺に言ってくる。
「決まったけど。その顔、どうにかしろ」
「お前、冷たすぎ!そんなんだと、『川野くんなんか、もう知らないっ!』って美園っちに言われるぞ?」
わざとらしく、泣く真似をする宏。
正直...、長島の真似ができていなかった。
なんか、できているようなできていないような......。
とにかく、気持ち悪かったな。
「分かったから。早くしねぇと、授業始まる」
「おいおい、何言ってんだよ」
宏が、ビックリした顔で、俺を見る。
何が?午後からも、授業あるよな。
「忘れたのか?今日、午後授業ないけど」
「...は?何で?」
何も聞いてねぇし。
なんで、宏だけ知ってるんだよ。