臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
好きだという気持ちがばれて、迷惑そうだったから…。快気祝いと称した飲み会での出来事をポツリポツリと話す。


「面と向かって、迷惑だって言われたの?」

「ううん…。違う、そうじゃないけど」

「そもそも、麻由子はちゃんと好きだって言ったの?」

「言ってない…だって、言えないし」


麻由子の声はどんどん小さくなり、泣きそうだ。


「自分の気持ちも伝えてないのに、迷惑かどうかなんて分からないでしょ?」


莉奈の言うとおりだ。何も伝えてないから、航平の気持ちも聞いていない。だから、航平がどう思っているかなんて分からない。


「迷惑だなんて、勝手に思い込んでるだけじゃない。どうして、そんなに臆病なの?もっと自信持ちなよ。麻由子、かわいいんだから」
< 116 / 255 >

この作品をシェア

pagetop