臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
さすが親友…。目の前で涙がこぼれそうになっていても遠慮なしに物を言う。


麻由子のためを思って言ってくれる。素敵な恋をして欲しくて言ってくれる。麻由子もそれは分かる。


でも…


「だって…自信なんて持てないよ。速水さんを好きだって言う人はいっぱいいるし、みんな、あたしよりもずっときれいなんだもの」

「麻由子だってきれいだよ。私はお世辞なんて絶対言わない。ねえ、もっと自信持ちなよ。もう一度、挨拶することから頑張ってみたらいいじゃない。せっかく出来たことなんだから、また出来るよ」


「んー」まだ決心がつかない麻由子に莉奈はさらに念押しする。


「絶対大丈夫だから。挨拶されて迷惑だなんて思う人はいないから」
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