臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
その元気な声が聞き慣れない声だったから、誰だろう?と麻由子は興味を持ち、好奇心から声の主を見ようと思わず身を乗り出す。


その時、その人と目が合う。


「あ、佐久間くん!」

「おー、藤野!久しぶり!あ、森本も」


佐久間と呼ばれた男は、麻由子と同じように顔を出した千尋にも気付いた。

麻由子と千尋は立ち上がって、佐久間に近付いた。


佐久間は2人の同期で、新人研修が終了後、大阪支社に配属になっていた。


「もしかして、大阪から異動になった人って佐久間くんだったの?」

「そうそう!俺だ。やっと東京に戻れたよ」


営業部の社員が1人、来月退職する予定になっていて、そこへ佐久間が配属になった。
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