臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
今週は11月最後の週で、来週は12月になる。

街は既にクリスマスデコレーションが至るところで煌びやかに輝いていた。暗くなるのも早くなってきていて、仕事の帰り道でイルミネーションが楽しめたりもしている。


クリスマスまであと1ヶ月。

麻由子は莉奈に言われた言葉を思い出す。


1人のクリスマスは寂しいよ…。

だからといって、航平と過ごすことは麻由子にとって、夢のまた夢である。

一緒に過ごせることは奇跡に近いことだ。


「失礼します!おはようございます!」

あと30分で午前中が終わる時、総務課のドアが元気な声と同時に開かれた。

「おはようございます」が必要ないのではないかと思われるくらいの遅い朝の挨拶である。
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