臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「だったら、俺と付き合おうよ。今は違う人が好きでも絶対俺のこと、好きになるから」

佐久間の自信はどこから来るのだろう。自分にそれだけの自信がある佐久間を麻由子は羨ましいとも思った。自分にもそんな自信が欲しい。

絶対に航平が好きだという自信はあっても、好きになってくれる自信はない。


佐久間に言うべき言葉を探す。何が何でも断らなくてはならない。


「ねえ、いいだろ?俺、絶対優しくするよ」


佐久間が二人の距離を縮め、麻由子の視線の高さに合わせ、顔を近付ける。


二人の顔の距離は15㎝…10㎝…佐久間は麻由子の唇を奪おうとしていた。


「や、やめて…」


麻由子は顔を背ける。

佐久間は麻由子の両頬を逃がさないように押さえ、正面を向かせる。

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