臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「麻由子ちゃんは嫌みたいだけど、佐久間には分からない?麻由子ちゃんは、俺が一緒に帰るよ」


航平は麻由子に近付き、右手を握る。


「え?待ってください。俺が一緒に帰ります!何で速水さんが!」


佐久間は連れて行かれては困ると、麻由子の左手を握った。麻由子は男二人に挟まれて、引っ張られる格好になる。


「は?佐久間は嫌だと言われただろ?その手、離せよ」

「言われてないです!藤野、俺と帰るよな?」


「ごめんなさい」と断られたのは覚えてないのだろうか?


麻由子は困惑して、航平に助けを求めるように見る。まだ強引な佐久間に怯えていた。


「じゃあ、麻由子ちゃんに決めてもらおう。それならいいだろ?」
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