臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「あーあ、言っちゃったね」


少し意地悪に言うけど、楽しそうに笑う航平は麻由子に近付く。


どうしよう…お仕置きって、何?何されるの?


麻由子は軽くパニックになり、目が泳ぐ。


「お仕置きするからね。覚悟してね」


航平がまた意地悪く笑う。


(ワッ、かっこいい!)


こんな意地悪な笑顔でもかっこいいと思ってしまう。これもまた恋の力である。


ピンッ!


「痛っ…」


航平は麻由子のおでこは指ではじいた。


「え、デコピン…?」


麻由子は痛みを感じたおでこを押える。

お仕置きはデコピンだった。


「クスッ、もう謝るなよ。また謝ったらお仕置きだからね」

「はい。もう痛いのは嫌なので気を付けます」


航平は素直な麻由子がかわいいと思い、笑う。

航平が笑うから麻由子もつられて、自然に笑う。
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