臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
和やかな空気が流れる。

吹く風は冷たいけど、心は温かくなる。


やっぱり好きだという気持ちを伝えたい。


でも、もし拒絶されたら…

今あるこの和やかな空気を変えたくない。もう笑うことが出来なくなるかもしれない。

笑いかけてもらえないかもしれない。話も出来なくなるかもしれない。

毎朝の挨拶だって、出来なくなってしまう。


麻由子のいつもの臆病心が出てしまって、結局この日も気持ちを伝えることが出来なかった。


せっかく二人で過ごせた休日で、またとないチャンスだったかもしれないのに、何も伝えることが出来ないまま貴重なデートが終わった。


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