臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
夫の肩にもたれる美里が上機嫌で誘う。美里が一番酔っていた。


「いえ、帰ります」


明日は仕事だし、図々しく泊まることは出来ない。


「じゃあ、航平が泊まりなよ!」

「は?俺が自分の家に泊まる?何言ってるんだよ」


航平は意味分からないという顔で美里を見る。


「あはは、違うわよ。麻由子ちゃんちに泊まりなって、言ってんのー。もう頭が悪くて困るわね」


酔っ払い美里はかなりご機嫌であるが、いつになく押しが強い。


「姉貴に指図されたくないね」


航平は冷たく答える。


「でも、ちゃんと送っていくからね」


航平が頭を優しく撫でるから、麻由子は頬を赤くした。


「クスッ。赤くなる麻由子ちゃん、かわいいー」

「え?これは酔っているせいです」
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