臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
ツルッ…

ドッテーン!

派手に転んだ。運が悪いとしかいいようがない光景である。


「イタッ…」


近くにいた数人の社員や通行人ははみな遅刻ギリギリのため、哀れみの目で見るものの、冷たく通り過ぎて行く。

痛くて、涙目になる。急いで立って、走らないと間に合わない。立とう…。

その時…1人の男性が手を出してきた。


「大丈夫?」


優しく差し伸べられたその男性の手が麻由子には輝いて見えた。どこの誰かは知らないが、神の手のように見えた。


「すいません、ありがとうございます」


キラキラ輝くその手に自分の手を乗せて、立ち上がる。それから、その優しい人の顔を見る。


その人物が爽やかイケメンの航平との出逢いであった。


キラキラ輝く手の持ち主の顔は更にキラキラ輝いていた。ただ単に…後ろに太陽があったせいだが。

麻由子は初めて見る顔に首を傾げる。
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