臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
ちょうど歩いている時に千尋の後ろ姿を見えて、走ってきたのだった。


「もう帰るの?」

「うん、麻由子とこれからご飯食べに行くから」

「あ、じゃあ、俺も後から合流してもいい?まだ終わらないけど、一時間くらい待っててもらってもいい?」


千尋は麻由子の顔を見る。二人だけで話をしたいのかもしれないから、楠本は邪魔になるのではないかと思った。


「いいよ。私たちは先に食べてるけど」

「サンキュ!千尋、急いで行くからな」


楠本は超特急で終わらせるという意気込みを見せて、満面の笑顔で千尋の手を握った。片想いが実った楠本は頭の中はたくさんの花が咲いているように見える。

幸せそうな楠本に麻由子は思わず笑う。


「本当に千尋が大好きなのね」
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