恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】




「…………」


花澄はさーっと青ざめた。

……マズイ。

ついさっき、こんな格好を環に見せるなと言われたばかりなのに……。

花澄は慌てて踵を返した。


「私、用事思い出したから! じゃあね」

「ええ、お嬢様」


環はにこりと笑い、優雅に一礼する。

花澄は環の笑顔を背に、急いで建物の方へと走って行った。



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