恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
花澄は慌ててドアに駆け寄った。
ドアノブを捻り、勢いよく開ける。
と、ドアの向こうに立っていた雪也が、目を丸くして驚いたように花澄を見た。
その心底驚いたといった表情に、花澄もはっと我に返った。
……まずい。
つい勢いで開けてしまったが、こんな寝起きの、しかも最悪な顔を見られてしまった。
しかも雪也はジーパンに白のTシャツ、薄手のウインドブレーカーという実に散歩向きの爽やかな格好をしている。
こんな、頭もボサボサの自分とは雲泥の差だ。
……恥ずかしい。
……どうしよう、呆れられたかも……
と、内心で青ざめたとき。