恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「何かお作りしましょうか?」
「じゃあ、カフェオレを頼んでいいかな? ミルク少なめで」
「畏まりました。……美鈴さまは?」
「そうね。アールグレイをくれる?」
「畏まりました。少々お待ちくださいませ」
環は一礼し、手際よくポットやミルクパンをIHの上にセットしていく。
花澄は皆の顔を見回した。
……いつもと格好は違うが、こうして四人でいると高校にいるみたいだ。
四人とも同い年とはとても思えないが……。
花澄は再びコーヒーカップに手を伸ばした。
その時、後ろでカシャッという音とともに何かが光るのを感じ、振り返った。
「……あ、賢吾さん」
「いいショットが撮れたよ~。青春のワンシーンて感じだね?」
賢吾はカメラを片手に四人がいる方へと歩み寄ってくる。
……青春のワンシーン。