恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】



「あー、そっか! 相沢君へのプレゼントを買うわけね?」

「……え?」

「いいねー、そういうの。初めてのクリスマス、初めてのプレゼント、そして初めての夜!……あー、青春よねぇ……」


知奈は目を輝かせて言う。

花澄はカッと頬を染めた。

……初めての夜、って……。

花澄もそういうことを想像しないこともないが、まだとても心が追い付いていない。

環とキスするだけで腰砕けになるのに、それ以上のことなど……。

けれどクリスマスプレゼントは、何か用意したい。

何がいいだろうか……。

と思った、その時。


「……花澄。ちょっといい?」


横から声を掛けられ、花澄ははっと顔を上げた。

見ると、いつのまにか美鈴が脇に立っている。

美鈴は花澄を見下ろし、その綺麗な形の唇を開いた。


「ちょっと話があるの。こっちに来てくれないかしら?」


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