恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】




「それはシリウスをモチーフにしたペンダントだ」

「シリウス? ……って確か、太陽以外で一番明るい恒星、だよね?」

「そうだ。シリウスには、ギリシャ語で『光り輝くもの』という意味がある。お前にはぴったりだろう?」


環は笑いながら言う。

褒められたのか馬鹿にされたのかいまいち分からないが、環が自分を想ってこれをプレゼントしてくれたということが嬉しい。

花澄は頬を染め、環の艶やかな黒髪に指を絡ませた。


「ありがと、環。……ね、環は何か欲しいものはある?」

「……花澄?」

「私も何か環にプレゼントしたい。何か欲しいものがあれば……」


と、花澄が言った瞬間。




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