恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】



環が花澄の体をぐいと抱き寄せた。

そのままシーツに背を押し付けられ、環を仰向けで見上げる形となる。

目を見開いた花澄に、環は目を細めて艶っぽい目で微笑んだ。


「……じゃあ、もう一回」

「……え?」

「お前以外に欲しいものなんかない。……お前を貰えれば、それでいい」


熱に潤んだ環の瞳が、じっと花澄を覗き込む。

花澄はドキドキしながら環の瞳を見上げていた。

――――人を誘い込む、妖艶なその瞳。

魂を奪っていく、甘く強引な瞳……。


環の唇が、花澄の全身を溶かしていく。

胸元で、銀の鎖がシャラッと音を立てる。

花澄はそっと目を伏せ、甘い吐息をついた……。



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