恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
花澄は言葉を詰まらせた。
心の中に熱い何かが溢れてくる。
花澄は唇を震わせ、環から視線を逸らした。
「もう、耐えられそうにないから……離れたいの」
「離れる? どうして!?」
「…………」
環は食い入るように花澄を見る。
榛色の瞳が、熱情で染まる。
紅潮した頬を切なげに歪め、環は震える唇を開いた。
「……嫌だ……」
「…………」
「嫌だ、離さない。もう二度と、おれはお前を離さない!」
環は叫び、ぐいと花澄の背を抱き寄せた。
壊れんばかりに抱きしめられる。
硬直した花澄の背を環は必死にかき抱き、切羽詰まった声で言う。