恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



「もう君を離すなんてできるはずない! ……君もそれはわかっているはずだ。俺がもう一生、君に囚われるって……。君以外の人など、好きになれるはずがないって……」

「雪くん……」

「俺をこんな風にしたのは君だ。俺の心に容赦なく爪を立てて、忘れられなくしたのは君だ! ……今さらもう、君を離すなんてできない!」


雪也の悲痛な声が胸を打つ。

花澄はぐっと唇を噛みしめた。

……心では、とっくに雪也を選んでいる。

しかし賢吾を裏切ってしまった後悔が、小百合の思いを無下にしてしまった後悔が、胸から消えない。


自分は、これからどうすればいいのか……。


焦燥が花澄の心にこみ上げる。

花澄は再び雪也の腕に抱き込まれながら、ぼんやりと視線を宙に投げた……。


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