恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



『悪いが栃木の出張が日曜まで伸びそうなんだ。

明日の会食には僕の代わりにお前に出てもらっていいだろうか?

P.S 僕の大事な嫁さんを守ってやってください。よろしく』


これは……。

目を見開いた花澄に、雪也は唇の端を歪めて笑った。

微かな憤りを浮かべたその瞳に、心の奥がゾクッと冷える。


「……花澄。俺達のこと、兄貴には言ったんだろ?」

「う、うん……」

「俺達の関係を知った上で、わざわざこんな風に書いてくるんだ。……言われなくても君のことは俺が護る。俺以外の誰にも、君を護らせやしない」


言葉と共に雪也の手が伸び、花澄の手を掴む。

花澄は雪也の手の温かさにドキッと胸を高鳴らせた。

……もう互いの全てを知っているのに、手を繋いだだけで胸がときめく。

こんな風に感じるのは、やはり雪也しかいない。


しかし……。



< 278 / 334 >

この作品をシェア

pagetop