俺が教えてやるよ。


「特定の女の子作らない、あの藍斗が!?マジかよ」


「なに、そんなに驚くことか?」


「あぁ!天地がひっくり返る!」


頭を抱える陽


「お前…俺をなんだと思ってんだよ」


「ただの女たらしの偽王子!」


「ふざけんな」



そんなことを堂々と


「でもまぁ、よかったんじゃねぇの」


「え?」


「あいつ、きっと喜ぶよ」


陽が俺を、嬉しそうな顔で見た



………あいつ


俺の心がフリーズする

戻りたくない、ふたをしてしまった過去


「よかったな、藍斗。桃果ちゃんなら大丈夫だ」

……桃果


「…そうだな」



重なり合うことのない影を追い続けていた俺は、まだ子どもだった


もう追いかけない

そう決めていた





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