体育館の天井に挟まっているバレーボール




『もう、あなたと一緒にいるのは疲れた‼』

女優がそう叫んで雨の中外へ出てしまう。
ここからはお決まりの話の展開だった。
男も女も日本の様々な場所に出かけ、色々な出会いを体験する。
だが、一番自分に合っていたのは喧嘩別れした恋人だったと実感するのだ。

『伊豆の温泉に入ってる時に気づいたの。私、あなたといた時が一番輝いていた。』

そう言って海を背景に女は微笑む。
そこで映画は終了した。
エンドロールでは切ないバラードが流れて、隣を見れば先輩はふぁぁとあくびをしていた。
先輩、もしかして寝てました?
てか寝てましたよね。

「どうでした?」

「普通だったな。」

なんとも言えない空気のまま映画館を後にした。



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