さよならの見つけ方 第1章
今だから言える話だけれど、



本当はケガ自体は大したことはなかったのだ。






チャドの背中にしがみついて帰路も半ばに来ると痛みは相当引いていたし、



多分その頃には、自力で歩けてもいたと思う。










それでも、



朝日を浴びたシーツのように私を優しく包み込んでくれるチャドの背中があんまり心地よくて、



黒い髪の毛から少しだけ漂う甘い香りが心地よくて、





首の後ろに頬をくっつけて、私は静かにまどろんでいたかったのだ。











チャドの隣を半べそでぐずぐず歩くマイケルと、



「…ドジ」



と小声で悪態をつきながら、それでも心配そうな瞳のクリス。





私を気遣ってあまり体を揺らさないように歩いてくれるチャド。










3人の優しさに、まだ甘えていたかった。







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