ビー玉
別に、


金魚が欲しかったわけじゃない。







金魚が好きだったわけじゃない。








あたしはあのビー玉が好きだった。








あのビー玉があたしの手の平にかえってこないと意味がなかった。















だけどけんちゃんのまっすぐな優しさが嬉しくて、






今あたしはそれに甘えたかった。




























「赤い金魚、とってね」







そう言ってあたしが笑うとけんちゃんも


「うん、わかった」


と笑った。










その白い肌を、オレンジの夕陽に透かしながら。
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