海淵のバカンス



「卵だろ」


ーは?


兎々の下半身からポコポコと、潮の流れに合わせて産まれ、浮遊する綺麗なビー玉程の球体に兎々は表情一つ変えずに答える。

「昨日、ヤったんだ当たり前だろう。」
「え」
「むしろ、生産性のない日にヤるなんて、私には理解出来ないし、そんなの損するだけだろう」
「つまり?」


「お前と私の子供達だな」




切なく浮かぶ子供達が、どこか悲しげに思えた。



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