アウトサイダー

最後通告


それから数日は、そのホテルにとどまった。


外出するときは必ず永沢さんが来てくれて、私たちを守ってくれた。

けれど、ここが彬さんにばれないようにと細心の注意を払って来なければならない永沢さんに、これ以上迷惑はかけられない。
かといって、どうしたらいいのかもわからなくて。



お母さんに、コウさんのところに戻るようにと話したけれど、「コウさんもあなたの味方なの」と言ってうんとは言わなかった。



そして母の携帯にかかってきた電話で、コウさんが私たちのために部屋を借りてくれたことを知った。


「これ以上、永沢さんにお世話になるわけにはいかない。
それに、ホテルではなにかと不便よ。
とりあえず、ウィークリーマンションを借りてくれたから、そこに移りましょう」


母がにっこり笑いながらそう言ってくれたとき、私の目から涙がこぼれた。


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