アウトサイダー

“こんな世の中に生まれてきたくなんてなかった”という自分が小さいころに抱えていた思い。

この子もそう思うんじゃないかって、怖くて仕方がなくて。


だけど、どうしても小さな命を諦められなかったのは、太陽に与えられた無償の愛を知ったからなのかもしれない。

そして、永沢さんや父や母の温もりもまた、私に勇気をくれた。



「コミュニティセンターは、半分くらい完成している。
内装がまだ進んでいないけど、斉藤と俺の合作、なかなかいいものになったぞ。
もちろん、紗知のおかげでもある」

「いえ、そんな」


私の目に入ってきたのは、永沢さんと斉藤さんが手掛けたあの施設。

私もほんの少し手伝いをして、それがこんなに大きなものとして君臨しているのがうれしくてたまらない。


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