アウトサイダー

「私……」

「好きな人、いるの?」


健君が心配気な顔をして、私の顔を覗き込む。


「えっと……」


好きな人は、いる。
もちろん……。

だけど、もう二度と会えないかもしれない人。


「ねぇ、付き合ってみようよ。
紗知ちゃんに好きな人がいたって、今、付き合ってないんだろ? 
それなら、俺の事好きにしてみせるから」


その自信はどこから来るのか分からない。
私を包み込めるのは、きっと太陽だけなのに……。

けれど――。


「今度の日曜、デートしよう」

「だってバイト」

「バイトが終わった後だよ」


< 87 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop