* pain *
流れるような、そのアーチ。






ボールが高い弧を描く、調子の良さそうな日も、




白い横顔が苦しそうで、シュートの成功率がいつもより低い日も、




虫の声が聞こえてくる日も、




ドリブルの音が叩き付ける雨音にかき消される日も、




暑い日も、




寒い日も、




風の強い夜も、




星のない夜も、







ずっとずっとあたしは、





京ちゃんを見てた。








京ちゃんがあたしに振り向いて

「帰ろうか」

と笑顔を向けてきた時に、






あたしも満面の笑顔で、

「お疲れ様」

と迎えられるように。
< 14 / 119 >

この作品をシェア

pagetop