* pain *
呆然と立ち尽くすあたしに気付いた人達が、口をつぐんで廊下の隅へと身を寄せる。






動けない。






何ももう、考えられない。












足を引き摺るようにホールに戻り、笑顔を浮かべる京ちゃんの写真にゆっくりと近付いた。






この箱の中に京ちゃんがいるのかと思うと信じられなくて、


本当なんだとしたらそれはあまりに可哀相すぎて、






きつく閉じられた棺の蓋を震える指でこじ開けようとするあたしに、






「見ない方がいいよ」






大地くんがそう言って、あたしの両目を右手でふさいだ。

< 18 / 119 >

この作品をシェア

pagetop