* pain *
夜の間中かけ続けてもとうとう繋がらなかった携帯が、

あたしの心を無言でずっと締め付けているようだった。






チクタクと部屋の時計の音だけが、容赦なく時を進めていく。






うまく息が吸えなくて、

苦しかった。






繋がらない。






京ちゃんの携帯が繋がってくれない。






京ちゃん、出て。






今どこにいるの?










こんなに長い間連絡が取れないのは初めてのことだった。
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