* pain *
あたしはそんな声に耳を貸さずに3年の教室まで京ちゃんの姿を探しに行ったけれど、


ほんの少しだけ覗いて、すぐにやめた。






京ちゃんの机の上に、白い花が飾られていたから。






たくさんの人達が抱き合って、その周りで泣き崩れていたから。








ゆっくりと重い足取りで自分の教室に戻り、

ぺたん、と椅子に座り込んで意味もなく自分の指先を見つめてみる。






何人もの友達がそんなあたしの様子を見に来たけれど、話しかけてきたけれど、

あんまりよく覚えていない。





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