* pain *
緊急の全校朝会が開かれて、あたしは自分と同じような制服の列にゆっくりと並んだ。



心臓が、夜の海のように静かに暗く波打っていた。




見慣れた体育館は、人が大勢いるのにしんとしていて、まるで知らない場所のようだった。








――――“昨日、

3年10組の林崎京平くんが交通事故に遭い、



亡くなりました――――”






校長先生の静かな言葉が、マイクを通して体育館中に響く。



そのまま、

壁や窓や鉄の扉に反響して、染み込んで、


ゆっくりと、



消えていった言葉。

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