晴れのち雨
私の中に彼の指が侵してくる。
私の甲高い声に彼の声が響く。
「葵...葵...愛してるよ...」
甘い言葉は私の胸を苦しくした。
あの人はこんな風に
私を呼ぶことはないだろう...
シュウの腕の中にいながらも
あの人のことを考える自分に軽蔑する。
「葵??」
気が付くと涙が零れていた。
理由は分からない。
「ごめん、葵!本当にごめん!
俺、心の準備が出来るまで待つから!」
謝るシュウに
「違うの。シュウは悪くないの。
私が...私が悪いの...」
私は口を開く。
「...別れよう。」