晴れのち雨


家に帰るとシュウからメールが来た。

《いま暇??》

《さっきまで出かけてて、今帰ってきたよー》

相変わらずのぶっきらぼうなメールに苦笑しつつ、メールを返した。


《今から行っても良い?》

すぐにメールが返ってきたので

《良いよー☆》

と送って外でシュウを待つことにした。



10分も経たないうちに自転車に乗ったシュウ見えた。


「ごめん!葵!寒かっただろ?!」

自然と両手をシュウに包まれたので
自分の手を呆然と見ていると

「あ。ごめん。」

パッと手を離された。

「いや、良いんだけど、何か懐かしいような、恥ずかしいような...」

イマイチ気持ちが伝えられずにいると
目の前に紙袋が差し出された。

「こないだ出掛けたらさ...
葵の好きそうなストラップが売ってたから...つい買っちゃって...」

「良いの?」

頷くシュウを確認して中身を見た。

「わぁ〜可愛い!!」

チェック柄のクマのストラップだった。


「気に入って貰えたみたいで良かった」

と笑うシュウにキリっと胸が痛くなった。

「気にすんなって。俺が勝手にしたことだから。」

今でも私を想ってくれているシュウに
"どうしてそこまで私なんかを想ってくれるんだろう..."
と思いながらシュウを無意識に見ていた。

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