晴れのち雨


「何ニヤニヤしてんの?」

と運転席に座った先生がニヤニヤして訊いてくる。

「してないです。ニヤニヤしてるのは先生でしょ?」

「いやいや、絶対アオちゃんニヤニヤしてたわ〜」

と言ってシートベルトを締める。

先生を見て、私もシートベルトを締めていると

「でもまぁ、泣かれるより良いか。」

と呟く先生。

「泣いてる女の子車に乗せてたら、誘拐犯と間違えられそうやし」

ニヤっと笑う先生。

「はぁ〜
先生に会う為に神様、仏様、サンタ様にまでお願いした私が馬鹿でした。」

とため息をつくと

「ほらな。アホな約束したと思ったやろ?今なら帰してあげるで?」

先生がハンドルに凭れて尋ねる。

「遠慮します。帰ってあげません。
今時、お金を払ってでも女子高生とクリスマスを過ごしたいオッサンもいるみたいですよ?
先生、ラッキーですね。物好きな女子高生がいて。」

自分なりに皮肉を込めて言い返した。
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