パパ、もう一度ほめて
*2
――
「ねえママ。」
8月。
公立の高校見学も終わり、一段落したあたりで言ってみた。
「わたし、遊園地に行きたい。」
「…なんで?」
「わたし、せっかくジェットコースター乗れるようになったもん、行きたい!」
今年の3月、私は友達と遊園地にいき、大嫌いなジェットコースターを克服したのだ。
家族と遊園地へ行ったときは、毎回苦しい思いをしながらジェットコースターに乗っていた。
いつもお父さんにバカにされていたけど、もう乗れるから行きたいと考えたのだ。
「なら、来月行くか。」
と会話に割って入ってきたのはお父さん。
「うっしゃー!!」
――
とある日の日曜日。
夏休み明けにテストがあるため、テスト勉強をし出した私は、お留守番をすることになった。
勉強したり、絵を描いたり、漫画を読んだり、と勉強以外にもいろいろやりながら過ごしていた。
13時を過ぎても帰ってこず、鉛筆でイラストの影をつけながら暇を持て余していた。
「ただいまー」
とお母さんの声が聞こえて、買い物袋を持った二人が家へ入ってきた。
「おかえりー」
そう言いつつ、イラストを仕上げにかかる。
「うまくなったなー」
と低い声がして、顔を上げた。
また、お父さんが目の前に立って、ほめてくれた。
「でしょ」
と得意げに答え、イラストを完成させた。
上手く出来たし、友達にあげようかな、なんて思いながらファイルにしまった。