桜が咲いたら
「む、武蔵先パイ!!」







立ち止まって振り向いた先輩の髪の毛が、夜の冷たい風に揺れている。






「…何?」






優しい笑顔。










「もし、

もしあたしが桜ヶ丘に受かったら…」






受かったら、その時は…





「うん?」






その時は…












だめだ。


怖くて言えないよ。














「あの、

どこか美味しいもの食べに連れてって下さい」






「はは、

気がはえ―やつ」






いいぜ、と笑う先輩に、あたしも辛うじて弱い笑顔を返す。






そうしてまた、後ろ姿を見送って。













ねぇ先輩、






もし受かったらその時は、




気持ちを伝えてもいいですか?

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