桜が咲いたら
「好きです」






ブランコの鉄柱に背を預けてもたれかかったままの武蔵先輩に、

あたしは小さく呟いた。





「彼女になんてなれないのは分かってます。


でも、伝えたくて…」






どうしても、伝えたくて。











ずっとずっと好きでした。






中2の春から、2年間ずっと。











必死に言葉を紡いでも、まっすぐあたしを見つめたままの先輩の瞳が全く動じていないように見えて、

悲しくなったあたしは俯いてしまう。






沈黙が怖くてつま先を踏み締めると、靴の下で乾いた砂利が小さな音を立てた。












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