大人の関係
だが美沙がお手洗いから出てくると長野が立っていた。
そちらに視線を向けた瞬間に素早い動きで手の中に名刺を握らされる。
何のためらいも無駄もない仕草で。
「あ・・・」
「失礼」
長野はこちらが反応を返す前に、軽く手を挙げてお手洗いに入っていった。




裏に個人用の携帯ナンバーとアドレスが手書きしていた。

『あの日から君が頭から離れない 連絡を待っている』
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