大人の関係
美沙が一息ついたのを見届け、美沙の横の一人掛けソファに座り、名刺を取り出した。


「玻璃(はり)、と言います。ジュエリーデザイナーをしております。よろしくお願いします」

急に口調も改まり、美しい動作で名刺を手渡した。

「あ、ありがとうございます。
 桐原美沙と言います。よろしくお願いします」
「玻璃、は仕事上の名前なの。戸籍の名前は亀山 奈津(かめやま なつ)。マサくんの彼女だし、奈津の方で呼んでね」 

彼女・・・。
美沙は何と返事していいのか困って、曖昧に笑った。


「マサくんとは同級生なの」

「!!!」
美沙はカップを落とすかと思った。

どう見ても長野よりは美沙に近い年齢に見える。
肌もつやつやだ。

年齢が分かりやすいと言われる手も、すらっと長い指が美しく、透明感がありハリのある手だ。
ジュエリーを扱うからか、爪は短めに整えられているが、ベージュのネイルで美しく手入れされていた。
とてもじゃないが長野と同じ歳とは見えない。
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