秘め事は教卓の下で


ダメだ、私…先生の事…


卒業して忘れられた筈だったのに、あの頃の気持ちが溢れ出しそうで、はしゃぐ彼の後ろで、私は思わず俯いた。

この気持ちを彼に知られたらいけない。


「みゆき、どーした?」

彼がそう口にした時。携帯が音をたて、彼は申し訳なさそうに、携帯を手に教室をあとにした。


小さくなる彼の足音に、先生は此方に振り返る。


「驚いたよ、綺麗になったな」

先生にふと顔を覗きこまれ、私は真っ赤になった顔を慌てて逸らす。
けれど、大きな手が私の頬を捕らえ、その視線は真っ直ぐ先生に向けられた。


「だけど、よく見ると変わってない。俺を見るその瞳とか、触れたくなるその唇…」

「せ、先生…ダメ…」


触れられた唇に、熱を帯びる。
頭がクラクラする。身体中が熱くなる。

ずっと求めていたその大きな手。
だけど今は彼がいる。


「そんな顔で言われても説得力ないな」


見透かされているように、先生は甘いキスで唇を奪う。
仄かに香る煙草の匂いに、私の意識は吹っ飛びそうで、思わずきゅっと瞼を閉じた。


戻って来た彼の足音に、私達は教卓の下に身を潜め、何度もキスを重ねる。



「ずっと俺のモノにしたかった」


――それは私と先生だけの秘め事。



[完]









< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

secret love -彼氏の秘密-

総文字数/10,338

恋愛(純愛)41ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
.・*゚.・*.・*゚.・*゚・. 彼には謎がある。 彼女の私にも言えない何かが…。 私の彼氏の秘密… それは… 【切ないsストーリー】 ゜.・*・゚.*・.゚・*.・ 12/2/6…start 2/8…open & fin. . *゚ ゚. *愛優*様 素敵なレビュー 本当にありがとう御座います*゚.(*>_∩*)゚。 その後の after story 完結しました*゚.
翻弄される男

総文字数/9,436

恋愛(オフィスラブ)16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
抱かれたい男ナンバー1。 しかし、誰にも本気にならない、ヤるだけの男の異名を持つ。 高田 秀一 (28) × 恋愛経験ゼロ。 大人な女をひた目指す、奇跡のピュア乙女。 篠崎 ひなの (23) 俺の好みのタイプが、大人な女だと未だに誤解している彼女。 俺の為にと頑張る姿が、いじらしくもあるが。 いい加減気付いて欲しい。 俺は、ありのままの君が好きな事。 「ひなのには手を出すな」 「高田先輩には言われたくないっすよ。どうせ、篠崎サンもヤるだけヤて捨てるんでしょ?」 「私、先輩を信じてますから」 「そんなんじゃ、アイツに篠崎ちゃんもってかれても文句は言えないよな?」 上野 隆太。 彼の登場で、二人の気持ちは翻弄される。 「どんなに頑張っても、高田先輩には届かないよ」 それはまるで、 悪魔の囁き。 『キスをしない男』『オトナの女』『繋ぎたい女』の続編になっていますが、この作品だけでも、楽しめます☆*. より楽しみたい方は、二人の馴れ初めがわかる『キスをしない男』『オトナの女』もどうぞ☆*· 2014/4/27 執筆 今回は、ピリッとシリアス仕立て。 公開開始 5/5 完結 7/4 ※作品名、ちょこっと場面追加、書き直しました。 いちゃこら番外編、完結。 2024/10/25
君に触れたくて

総文字数/3,135

恋愛(オフィスラブ)6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ずっと、君に触れたかった。 ずっと、君を抱き締めたかった。 けれど、ずっと、それを躊躇っていたのは、 君は俺の大切な部下だから。 テーマ 『とろけるような甘いキス』 ラブコスメ受賞作品 \電子書籍で発売中/ └素敵な作品に囲まれて、掲載されています。 14/2/9 完結・公開 永以 真子さま☆*. 素敵なレビューを、 本当にありがとうございます!(ノ´∀`゜)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop