Last flower【執筆中】
「ユルカ、いる?これ」
「えっ?」

うん、と頷く前にユルカは驚いた。

「なんで私がユルカってわかるの?」

「…さあ…?俺にも、よくわかんねーんだけど」

ネックレスをユルカに近づけ、今度は左手を差し出すカイ。

「好きなヤツ、取れよ」

「…ありがとう。すごく、嬉しい」

心から言った。

ユルカは外で咲いている桜のような淡いピンクのビーズと

真っ白な貝殻でできたネックレスを選んだ。

さっそくネックレスを首からかけて、またお礼を言って走り出した。

ふわふわと、心が甘い綿飴の上で弾んでいるような気分で走った。

けれど。ふと立ち止まりにわかにかき曇った心の片隅に、

ある場面が浮かんだ。

助けを乞う声。水面から伸びてくる白い腕。あれは……?

ぶる!っと寒気に震えた。きゅっとこぶしを握りしめ、思考を振り払うようにして

ユルカは、また走り出した。
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