恋の訪れ
「でもパパもそう思うでしょ?」
「なにが?」
「お姉ちゃん、性格悪いの」
「えー…」
「だって何か言えば文句。顔はいいとしてもよ、性格悪かったらどうかと思わない?」
「うーん…」
「でもさ、今日ね。ママが言ってたの!お姉ちゃんはパパに似てるってね」
「へー…」
「美咲さんって人はね、お姉ちゃんパパに似てるって言ってたし、ママはお姉ちゃんとパパの性格が一緒だってね」
「へー…」
さっきから、へー…しか言わないパパはタバコを咥えて火を点け、まるでどうでもいい呟きばっかりしてた。
「ねぇ、パパ聞いてる?」
「あぁ、聞いてる」
「あ、そうだよ!パパって性格悪かったんだね!」
「おいおい、そんな事ねーけど…」
「だってさ、見かけ怖いもん」
「そんな事ねーだろ」
「そんなんだからお姉ちゃんまで性格悪いんだよ!でも…」
「でも?」
そこで思わず継ぐんでしまった。
タバコを咥えてるパパは不思議そうにあたしを見つめるけど、それ以上の事なんて何も言えない。
お姉ちゃんに助けてもらったなんて。
そんな事言っちゃ、内容まで話さなくちゃいけなくなる。
「ううん。なんでもないけど…」
「……」
「ねぇ、パパ?この子、今どうしてんの?」
「うん?」
「あたしの隣に居る子だよ」
写真の中の男の子に指差す。