恋の訪れ

「見ないで下さい。ですから!!お願いです。約束守って下さい」

「Keep a promise」…約束を守る。

「あー!なんでまた英語なの?何言ってんのか本当に分かんないんだけど」

「帰って調べれば?」

「調べるも何も、もうさっきの言葉忘れました」

「馬鹿だからだろーが」

「もうほんとに先輩嫌い。…さよなら」


フンっと顔を背けて足を進めるあたしの背後から、また昴先輩の意地悪な笑い声が聞こえる。

そのあたしの背後を追う様に着いてくる先輩に、「着いてこないで下さい」素っ気なく言葉を返した。


「んな事、言われても葵ちゃんに、ちゃんと家まで送って帰るって約束したし」

「別にあたしそこまで子供じゃないですし。それに朝なんで帰れます」

「つかもう大分お前んちに近づいてるし」

「だからもう結構です!」

「つか怒んなよ」

「誰が怒らせてるんですか?これでもあたし先輩と違って温厚なんです」

「てか、俺と違ってって、どー言う事だよ、」

「いつも怒ってる先輩とは違うって事ですよ」

「俺、別に常に怒ってねーけど」

「だって愛想悪いじゃないですか」

「つか、それはサクヤと居っからそー見えるんだろ」

「さぁ…どうでしょう」


早歩きで歩いてても昴先輩は普通の歩幅で着いてくる。

話すのも面倒になって、口を閉ざして数分。

次第に見えてきた家に安堵したものの、玄関の前で足を止めたあたしは後ろを振り返った。
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